第4回 地域活性化フォーラム 開催報告
市内4大学から地域活性化へ向けた提言を行う。
来訪者の少ない都市は発展性が欠如
活性化をテーマにした研究成果を発表する第4回地域活性化フォーラム(主催:岡崎大学懇話会)が平成16年1月29日午後3時から、21世紀を創る会・みかわの協力によりコミュニティサテライトオフィスで開催された。
研究成果は、人間環境大学人間環境学部の青井哲人助教授が旧東海道往還を中心にした「岡崎市旧市街地に残る伝統的町屋の悉皆(しっかい)調査。 そして「岡崎市の在宅介護サービスに関する基礎的研究」を岡崎女子短期大学人間福祉学科の加古朝海教授が。愛知学泉大学家政学部の内田州昭教授が「岡崎市来訪観光客の実態と今後の方策」について、それぞれおこなった。
■訪問者にアンケート調査
特に、愛知学泉大学の内田教授は、岡崎市八帖町の八丁味噌工場2社に訪れる団体観光客、それを添乗する添乗員に対しアンケート調査を実施。その調査結果をこのフォーラムで公表した。それによると、一昨年12月から2ヵ月間、観光バスで八丁味噌の2社を訪れた団体旅行の添乗員にアンケートを依頼した。アンケート調査は74団体約3000人の動向を調べたもの。調査内容は、1)どこから来て、2)どこを観光して、3)どのくらい滞在し、4)どこへ行って泊まるか-の4項目を自由記述方式で行われた。
■三重県からの観光客が最も多く、ついで岐阜県
それによると、三重県から15団体、静岡県と愛知県が11団体、岐阜県7団体、大阪府6団体、東京と長野県でそれぞれ4団体となっている。1団体の人数は10人から39人が最も多く74%を占めた。八丁味噌工場以外でバスを降りた観光地は、岡崎公園・岡崎城が15団体、大樹寺は4団体などで、歴史のある伊賀八幡宮や滝山東照宮などは皆無だった。
■観光客、岡崎には2~3時間の滞在
岡崎への到着時刻は午前10時が18団体と最も多く、ほとんどが9時30分から11時までに岡崎入りしていることが分かった。岡崎での滞在時間は2時間以内が51団体で70%、2時間から3時間が18団体と、3時間以内が全体の93%を占めた。日帰り旅行の昼食場所は、岡崎市内では視察旅行に来た団体が岡崎市シビックセンターでとったのみで、昼食をとった26団体のうち20団体が蒲郡と答えている。宿泊に関しては、2泊以上はなく、1泊の36団体中、19団体が西浦温泉や蒲郡と答えている。
この結果をみて、内田教授は「観光は都市の総合力の表れと考えるべきで、来訪者の少ない都市の将来は発展性に乏しい」と指摘している。