21世紀を創る会・みかわ

ともに育む、このまちの明日

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平成16年度の活動

第6回 「21世紀交流サロン・葵丘」

日時:
平成17年3月15日
会場:
葵丘
テーマ:
「岡崎を考える」
講師:
愛知産業大学 水野伸一郎教授

第5回 「21世紀交流サロン・葵丘」

日時:
平成16年11月9日
会場:
葵丘
テーマ:
「少数民族の悲劇・今なぜアルメニア人虐殺か」
講師:
愛知産業大 瀬川博義教授
内容:

『21世紀を創る会・みかわ』では、岡崎大学懇話会の活動を通じ、大学と地域と市民の協働によるまちづくりの実現を目指しています。

岡崎を中心とする三河地域の住民(企業)や行政関係者と大学の先生方とが楽しく自由に語り合う機会、集うことができる場所として、「第5回 21世紀交流サロン・葵丘」を開設いたしました。 今回は、ゲストに“国際組織法”がご専門の瀬川博義(せがわ ひろよし)教授(愛知産業大学)をお招きしました。

第二次世界大戦でナチス・ドイツは、ユダヤ人を中心とする数百万人という膨大な数の一般市民を追放し、強制収容所に移動させて殺害するなど、非人道的行為を極限にまで行った。大戦後この非人道的行為を行った者に対する総括的裁判が、ニュルンベルクの連合国国際軍事法廷で開かれ、これらの者を断罪した。また、連合諸国はナチスの戦犯と共に自国民のナチス協力者に対しても糾弾を行った。日本にもナチスの戦争犯罪や裁判などを分析・評価した書物は多くあり、その内容については研究者のみならず、衆知されているところである。

その後、国際連合が創設されて間もなく国連総会において、ナチスが行ったような人道に反する行為を国際法上の犯罪であると確認する「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約)」が1948年12月9日に採択され、同条約は51年1月12日に発効している。それにもかかわらず、1971年にはバングラディシュ、1972年にはブルンディ、1973年にはカンボジア、1975年には東ティモール、1978年には赤道ギニアなどで大量殺害事件が発生している。

国内で当該事件が発生した場合には、個人による行為に加えて、政府の支持または黙認の下に遂行される複合的行為も存在する。そのため政府は、犯罪者に「集団を破壊する意図」が存在しないとの理由でジェノサイド条約の適用を控える傾向にある。加えて、国連安全保障理事会による大きな動きも起こらなかった様に思う。今日でも記憶に新しいのはルワンダ、旧ユーゴスラビア、スーダンの事件である。ルワンダ、旧ユーゴスラビアのケースでは安保理がジェノサイド条約違反に関する手続を開始する決議を行い、国際法廷を設置した。今年はルワンダ事件勃発後10年目を迎える。スーダンに関しても今年、安保理で制裁決議を行い、アナン国連事務総長はジェノサイド条約が規定する行為に該当するか否かについて国際調停委員会の設置を提案している。

第一次世界大戦の最中にオスマン帝国青年トルコ党政府が非イスラム教徒、特にキリスト教徒のアルメニア人に対する100万人以上の虐殺・国外追放を行った。列強諸国が自国の国益追求にのみ没頭せず、一致して人道的干渉を行っていたならば、この事件を未然に防止することができ、また防止できないまでも大戦後に国際法廷を設けて実効性のある決定を下していれば、ナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺は起こらなかったであろうと考える。つまり、アルメニア人虐殺はユダヤ人虐殺の下敷きとなったと考える。

私の報告は、人類をこのいまわしい苦悩から解放するために、アルメニア人虐殺から、その教訓を学ぶことの重要性を考える機会になることを意図するものである。

第5回 地域活性化フォーラム 開催報告

市内4大学から地域活性化へ向けた提言を行う。
商店街の役割とは、地域社会の生活課題の受け皿としてのモノやサービスの提供!

地域活性化をテーマとした研究成果を発表する「第5回地域活性化フォーラム(主催:岡崎大学懇話会)」が、平成16年11月16日(火)午後5時30分から、21世紀を創る会・みかわの協力によりコミュニティ サテライト オフィスで開催されました。

様々な視点から研究をすすめてみえる岡崎市内4大学の先生方に、「地域活性化」をテーマにその研究成果をご発表いただくとともに、これからのこの地域の活性化についてのご提言をいただきました。

『岡崎市中心市街地における商店街の現状と発展』

人間環境大学人間環境学部  助教授 岡本純

中心市街地活性化のキーのひとつとなる小売商業の役割は、生活者の利便性、あるいは快適性を向上させ、人を呼び込むことから、極めて重要である。商業は立地産業と呼ばれ、それぞれの地域の持つ文化、歴史などさまざまな制約条件により進むべき方向は異なる。 今回の発表では、岡崎市中心市街地における街区の現状調査を行った結果を踏まえて、商業を中心とした供給サイドから商業施設数をはじめとした定量的特長、業種・業態といった定性的特徴、あるいは客層、通行量、来街者特性を分析し、現状を把握するとともに商店街の果たすべき機能と役割を提案した。

まちの再生に対して中心市街地における商店街が求められる役割と機能
  1. 商業活動を通じて利益を上げること(地域経済が発展し、納税、仕入、雇用を生み出す)
  2. 地域社会の受け皿となること

(個人や家族のための生活課題の受け皿としてのモノやサービスの提供
=ワン・トゥー・ワン・マーケティング、リレーションシップ・マーケティングが必要)

人が求めるもの

モノではなく、モノやサービスが果たす価値=顧客の価値観にあった付加価値

社会的役割
  1. コミュニティ対応・・地域社会への貢献
  2. アメニティ対応・・・快適空間、高齢者社会対応
  3. コンビニエンス対応・交通、買物の利便性
  4. エコロジー対応・・・リサイクル
  5. コンプレックス対応・住宅、病院、文化施設、公共施設
文化的役割
  1. エンターテイメント対応・・芸術・文化の提供
  2. 情報発信対応・・機関紙、FM局、インターネット、ケーブルテレビ、FAX
  3. アミューズメント対応
  4. 歴史・伝統対応・・地域の歴史的資源、遺産の活用
  5. 生涯学習対応・・・カルチャーセンターなど

「酵素処理をした米糠の糖尿病に対する予防および治療効果に関する研究」

愛知学泉大学 家政学部 教授 小原郁夫

生活レベルの向上やライフスタイルの欧米化に伴い、生活習慣病の1つである糖尿病は、2002年の厚生労働省による実態調査では740万人、予備軍を含めると1620万人に達するという。今後も増加することが予測されている。 この研究では、実験的糖尿病モデルラットを作成し、酵素処理をした米糠を投与したときの糖尿病症状の改善効果を、栄養生化学的手法を用いて検討した。モデルラットに19日間米糠を投与した結果、(1)血糖値の上昇を抑制した(2)血漿コレステロール濃度が低下した(3)肝臓アルギナーゼ活性が低下したという結果が得られた。今後は栄養状況の変化による改善効果を研究課題としたい。

『岡崎市における在宅介護サービスに関する基礎的研究-介護保険と高齢者は今-』

岡崎女子短期大学人間福祉学科 講師 加古朝海 

高齢世代が増え続ける中「誰もが必要な介護サービスを受けることができる」システムが求められ、介護保険サービスがスタートした。 わが国の65歳以上人口は2002年に約236万人に達した。この老齢人口のうち、介護認定を受けた高齢者は345万人に相当し、残りの85%の高齢者は介護認定を必要としない元気な高齢者である。介護保険の支給額の3割が要介護度5以上による給付がもっとも多いため、この元気な高齢者に対して、健康で自立して生活できるよう予防介護の見直しがされ始めている現状について報告をした。

『YOURA FESTIVAL(ユーラ フェスティバル)』

愛知産業大学造形学部 助教授 大野幾生

YOURA FESTIVALは、地場産業振興を目的として開発された、市民参加型イベントゲームである。YOURA GAMEはモノを作る生産工程から出された廃材や余剰材、時には地域の特産物や自然物を利用して、参加者自らが揺れる造形作品を作ってどちらが長く揺れるかを競う。今回は特に、「Okazakiまち祭り」でのYOURA FESTIVALを活用した開催店舗のPR、開催店舗のイメージの明確化、開催店舗への参加者の誘導などの商業振興活動への寄与についての実践報告をした。

●これらの研究は平成17年度3月末までの研究期限としており、今回の発表は途中成果報告となっています。研究結果は研究論文冊子「第4号 地域活性化研究」(平成17年5月発刊予定)に掲載されます。
※研究に関する詳しいお問合せは岡崎大学懇話会事務局(TEL53-6165)までお願いします。

第4回 「21世紀交流サロン・葵丘」

日時:
平成16年9月15日
会場:
葵丘
テーマ:
「タイ王国『一村一品運動』の現状と今後について」
講師:
愛知産業大学 熊谷正信助教授

第3回 「21世紀交流サロン・葵丘」

日時:
平成16年7月13日
会場:
葵丘
テーマ:
「システム形成力日米比較」
講師:
愛知産業大学 梶原禎夫教授

第2回 「21世紀交流サロン・葵丘」

日時:
平成16年5月11日
会場:
葵丘
テーマ:
「東南アジアの石造建築と技術協力」
講師:
愛知産業大学造形学部 藤木良明教授
  • 昭和40年代の半ばから東南アジアの仏教・ヒンドゥー遺跡を調査研究を行う。
  • 平成6年から9年まで日本政府アンコール遺跡救済チーム副団長を務められる。
内容:

21世紀交流サロン・葵丘が、5月11日に開かれました。これは、岡崎を中心とする三河地域の市民(企業)や行政関係者と大学の先生方とが楽しく自由に語り合う機会、集うことができる場所として、NPO21世紀を創る会・みかわが企画しました。人間環境大学、愛知産業大学(岡崎大学懇話会)から9人の先生方が、またNPO会員13人が参加しました。

スピーチタイムでは、愛知産業大学造形学部教授の藤木良明先生が、「東南アジアの石造建築と技術協力」と題して、昭和40年代の半ばから東南アジアの仏教・ヒンドゥー遺跡を調査研究、平成6年から9年まで日本政府アンコール遺跡救済チーム副団長を務められたことについて発表がありました。これからの修復協力は、表面的なものでなく、その地域の人々にとって大切な歴史文化や祭りや暮らしをふまえた手法によることが課題とされました。

引き続き、アルコールを交えながら、研究テーマや企業近況、岡崎のまちの印象など様々な観点で自己紹介をし、和気あいあいの交流会となりました。

スピーチタイム

日本政府は国際協力にお金しか出さないと批判を受ける中、お金だけでなく人を出そうということで、文化協力という形で遺跡修復チームが結成されることになった。

アンコール遺跡には日本人と深い関係があり、諸行無常の地として江戸時代の日本人が行っていた。遺跡には日本語の落書きもある。

アンコール遺跡の調査はインドネシアのボロブドゥールのようにユネスコがリーダーシップを取って国際会議でのコンセンサスを取りながら進めるものもある。しかしカンボジアは2国間協議を主体で行われているため様々な問題が出てくる。日本のやり方というのは、大学が軸としてやっており、大学の先生の手柄となってしまっている。文化協力というのは、ヨーロッパの植民地時代から現在に至るまで様々な大義名分で行われている。本来の文化協力とは、現地の人の生活、歴史をどのように考えるか文化・歴史に執着をおいて、地域の伝統に根付いてものでなければならない。例えば、日本各地にある花祭りは単に宗教的に発展したものではなく、仏教でも神道でもなく融合した形である。しかし修復する際には、その融合されたものがきれいにされてしまう。本来の地域の伝統にのっとった形に修復するにはどのようにしていったらよいのかがこれから課題です。

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